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300万世帯が支払不能

 ビュルゲル経済興信所によると、2003年上半期に消費者および小規模事業者が裁判所に申請した支払不能件数は、対前年同期比50%増の32000件以上であった。特に、消費者が魅力的な分割支払貸付に誘惑されて、借入超過した例が多いという。

 連邦家族省は、ドイツでは約300万世帯が債務超過しており、支払い義務を果たせない状態にあると推定している。個人破産しかかっている世帯はこの数字を大きく上回っていると見られるが、正確な統計はない。「裁判による未到来債権取立て措置」件数は今年上半期、14,5%増の838330件であった。

 ドイツ連邦銀行によると、消費者金融規模は80年代末以来、2300億ユーロ(20036月)に倍増した。ドイツ経済研究所DIWの調査結果によると、1997年~2001年の期間だけでも、消費者ローンを受けた世帯の割合が18,8%から22,4%に上昇している。

 より高い生活水準を求めて借金する人が増えており、所持金ではなく、借金や分割払いで物を購入する傾向が強くなっている。最近では、休暇旅行にも分割支払貸付がある。不況で低金利の現在、消費者金融が繁盛しているが、大手銀行も株式市場の暴落後、再び個人顧客事業を強化しており、特に若い顧客層をターゲットにした貸付キャンペーンを展開している。そこで、消費者保護団体は、特に若い年齢層に注意を呼びかけている。

 カリタス債務者相談所によると、2001年末の支払不能規定改正の結果、消費者は数段階の手続きをとれば債務から解放されることが可能になったが、この手続きが複雑すぎるという。また、債務者相談所も不足しているので、早期の対処ができないのが現状である。

2003年10月6日)

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