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学校の女性化

教育相は学校の女性化を懸念しており、男性教員の割合を規定するよう提言している。ヘッセン州のヴォルフ教育相は、小学校教員の半分を男性教員にするよう求めている。また、ニーダーザクセン州のブーゼマン教育相は、教員全体の7080%が女性で、小学校ではほぼ100%に近いことを指摘して、男性教員を増やさなければならないと語った。

 バーデン・ヴュルテンベルク州のシャヴァン教育相も、小学校教員全体の最低30%を男性教員にすることを提唱している。家では母親、学校では女性教員と接する時間が多いことから、手本となる男性像に欠けるため、男子生徒の学習意欲にネガティブな影響を及ぼすという。

 しかし、小学校における男性教員の欠如が男子生徒の学力発展に悪い影響を及ぼすかどうかは、これまでのところ解明されていない。但し、自然科学の授業では、女子生徒は女性教員の場合の方が能力を発揮しやすく、男子生徒は男性教員の下で能力を発揮しやすいということが実証されているため、男女共学の場合でも、自然科学だけは男女別に授業することが検討されている。

 男子の高校卒業試験合格者が教職にあまり関心を示さないのは、ドイツにおける教職の社会的プレスティージを反映している。他の職業に比べて、家庭と仕事の両立がしやすいことから、教職を選ぶ女性が多いが、男性はむしろ社会的プレスティージと所得を重視して職業を選択する。特に、男子学生の多い自然科学分野では、依然として、学術研究で有望でない男子学生が教職につくケースが多い。

2003年10月13日)

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