オバサンの独り言 サッカーの女子ワールドカップでドイツが優勝した。ゴールデンゴールでの劇的な勝利は、番組変更になった刑事ドラマよりもずっとスリルがあったし、見ごたえがあった。 でも、私が感激したのは、日曜日の夜7時〜10時という最高の時間帯に、ドイツ第一テレビが視聴率の高い番組を変更して、(男子サッカーではない!)サッカー女子W杯の決勝戦を生放送したことだ。しかも、前日のサッカー男子ドイツチームの試合(1036万人)を上回る高い視聴率(平均1037万人、ピーク時1358万人)。 これは前代未聞の快挙だ。 女子チームが優勝杯を手に帰国した日、ドイツ第二テレビは特別番組を組んで、フランクフルト空港到着の様子やフランクフルト市庁舎前での歓迎の様子を生放映した。広場には平日の昼だというのに、5000人以上のファンが詰め掛けていた。ロート・フランクフルト市長(女性)は集まったファンに向かって、「男たちよ! この女たちを見よ!」と叫んだ。分かる、分かる、この気持ち。なにしろ、継子扱いされてきた女子サッカーがかくも華々しく注目されたのだから。 ようやく、マスコミもサッカー連盟も偏見から目覚めたか。いや、これだけ輝かしい実績を見せつけられれば、もう無視していられなくなったのかもしれない。あるいは、ワールドカップで準優勝したものの、危なっかしい試合ばかりしている頼りないドイツ男子サッカーへの反発? 翌日の新聞によると、ジャーナリストがゴールデンゴールで一躍有名になった金髪のキュンツァー選手に尋ねたという。「雑誌でヌードになる気はありますか?」 残念ながら、女子サッカーの道はまだまだ茨の道か…。一挙に現実の世界に引き戻されてしまった。 (2003年10月20日)
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