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今年の財政赤字、434億ユーロ

 アイヒェル連邦財務相の補正予算発表によると、今年の新規債務は戦後最大の434億ユーロに達する。累積赤字は850億~900億ユーロ。その結果、ドイツ財政赤字の国内総生産比がマーストリヒト条約の「安定協定」の上限3%を大幅に上回ることになった。アイヒェル財務相は今年(4%以上)も来年(約3,5%)も3%の上限を上回る見通しであることを明らかにした。2005年は3%以下にする方針であるが、極めて難しいと語った。欧州委員会はドイツに対して、2005年までに再び3%以下にするよう、猶予期間を与え、条件付きで来年の制裁金を断念する意向といわれる。

 連邦政府は今年の新規債務を189億ユーロと見込んでいたが、失業者増加と不景気による税収入減少を要因として、2倍以上に膨れ上がった。また、アイヒェル財務相によると、連邦政府の新しい経済成長予測に基づき、来年度予算はさらに60億ユーロ以上の税収減となるため、民営化も含めたあらゆる措置をとって対処しなければならないという。しかし、アイヒェル財務相は付加価値税引き上げの憶測を否定している。

 一方、クレメント連邦経済大臣は、2003年の経済成長率予測を0,75%から0%に、2004年は2%から1,7%(1,52%)に下方修正した。また、失業者数は今年が439万人、来年が436万人と予想している。経済研究所が失業者増加を予測したのに対して、クレメント経済相は、労働市場改革の効果が表れるので、失業者数が減少すると見ている。

20031027日)

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