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肥満児の増加

 ドイツでは、肥満の児童と青少年が急増しており、まもなく米国のレベルに達すると、ライプチッヒ大学病院のケラー医学教授が警告している。過去10年間で、太りすぎの子供がほぼ倍増している。今、「デブ」とからかわれている子供たちは将来の患者(高血圧、糖尿病、心筋梗塞、関節痛など)だという。

 ケラー教授が調査した児童・青少年(18万人)の5分の1は太りすぎで、約7%が肥満症。太りすぎの児童・青少年はグルコース代謝障害であることが多い。肥満の増加は生活習慣の急激な変化に起因しているという。例えば、運動不足。外で遊ぶ代わりにパソコンで遊び、スナック類やファーストフードを食べていると、太ってくる。すると、からかわれるので、ますます家に引きこもってしまう。唯一の慰めはスナック類という悪循環である。

 現在、青少年に見られる肥満化は2、3年のうちに成人にも達すると予想されている。米国市民の64%は太りすぎで、約3人に1人が肥満。それに対して、ドイツでは太り過ぎが60%で、5人に1人が肥満。ドイツの現状は米国の約10年前に相当するという。

 医学者はまだ肥満の遺伝子を発見していないが、太りすぎの親の子供が肥満になる傾向がある。また、社会的要因も重要で、低所得者層の子供の方が中産階級の子供よりも肥満になる傾向が強い。

 肥満は様々な病気の原因になるので、保健制度における肥満増加のコストは莫大である。今後、肥満増加に伴う疾病保険の支出増加が予想される。

2003年10月27日)

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