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ハルツ法 I の失敗

  クレメント連邦経済相は、労働市場改革法の一つであるハルツ法 I で導入した「雇用のための資本」助成プログラムは、期待していた効果が現れなかったので廃止すると発表した。この助成プログラムは中小企業のための新しい一般融資プログラムに組み入れるという。

 「雇用のための資本」助成プログラムでは、企業が失業者を採用すれば、最高10万ユーロを安い金利で復興金融公庫(KfW)から借入できた。クレメント経済相は、このプログラムにより、今年だけでも 5万の新しい職場を創出する計画であったが、10月初旬までに8027の職場しか創出できなかった。復興金融公庫は、今年は全部で9000の職場を創出できると予想している。クレメント経済相は7月に、このプログラムを職業訓練の職場にまで拡大していたが、これも成果が見られなかった。

 復興金融公庫は現在、「雇用のための資本」の基本コンセプトを取り入れた新しい助成プログラム(企業資本プログラム)を作成しているが、失業者を採用する条件に大きな問題があるという。これまでは、失業者が短期間で再び失業しているかどうかを審査する手段がなかった。

 クレメント経済相は「雇用のための資本」助成プログラムの失敗を取り繕うために、復興金融公庫がすでに計画していた一般融資プログラムにこれを移行させることにしたものと見られている。しかし、新しい助成プログラムは欧州委員会の認可を受けなければならない。欧州委員会は「雇用のための資本」助成プログラムを不法な補助金として、最初は認可しなかったという経緯がある。

2003113日)

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