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宗教的スカーフ着用禁止法案

  バーデン・ヴュルテンベルク州は、最初の州として、公立学校の女性教員の宗教的スカーフ着用を禁止する法案を提出した。シャヴァン教育相(CDU)は、宗教的・政治的・世界観的中立が同州の学校法で保証されると語った。宗教的スカーフは宗教だけでなく、イスラム教における政治的弾圧の象徴であり、学校法に規定されているキリスト教的・ヨーロッパ的教育・文化の価値観ないし伝統に当てはまらないとしている。宗教的スカーフ着用禁止では、宗教的象徴よりも政治的象徴が問題になっているという。従って、キリスト教あるいはユダヤ教の象徴は禁止されない。禁止の例外は宗教の授業と実習生。また、生徒は学校内で宗教的スカーフを着用してもよい。

 憲法専門家であるキルヒホフ氏が起案した法案(学校法第38条に3つの項を挿入)によると、「特に、教員が人間の尊厳、同権、自由基本権あるいは自由民主的基本秩序に反対しているという印象を生徒ないしその親に与えうる外見上の態度表明は不適法である。」

 法律専門家は、バーデン・ヴュルテンベルク州のキリスト教的な宗派混合学校の伝統ゆえに、この法案は憲法上、根拠があると評価している。

 バーデン・ヴュルテンベルク州の内閣は1111日にこの法案を決定する計画で、これが成立すれば、20032004学校年度に発効する予定である。連邦憲法裁判所の判決後、11州が公立学校の女性教員の宗教的スカーフ着用を禁止する法律を制定すると表明しており、まもなく他の州もバーデン・ヴュルテンベルク州に従うものと思われる。

2003年11月3日)

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