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ドイツの携帯電話利用は欧州平均以下

    ダイアモンド・クラスター企業コンサルティング会社の調査結果によると、ドイツ人の携帯電話通話時間は1ヶ月あたり73分で、欧州ランキングで最下位。欧州平均(119分)を約40%も下回っている。通話時間が最も長いのはフィンランド(240分)。

 携帯電話通話時間が少ない理由としては、携帯電話通話料金が高いこと(ベルギーに次いで高い)と固定電話通話料金との差が大きいことが挙げられる。ドイツの携帯電話通話料金は固定電話通話料金の45倍。

 しかし、携帯電話通話料が欧州平均よりも約25%も高いにもかかわらず、一ヶ月の一人当たり売上は最下位である(ドイツは22ユーロ、欧州平均は27ユーロ)。ドイツの利用者は、この音声通話料に加えて、データ通信サービスに平均で4,1ユーロ払っている(欧州平均は4ユーロ。1位はアイルランドで8ユーロ)。このデータ通信が売上に占める割合は16%で、データ通信の割合は欧州1位。データ通信の中で最も多いのがSMSで、MMS1015%。今後、MMSの急増が予想される。

 ダイアモンド・クラスター社によると、携帯電話通話料金を大幅に値下げすれば、固定電話の代わりに携帯電話を使うようになるので、売上が上昇するという。すでに、携帯電話網運用事業者E-プルスとO2がその戦略を導入している。ボダフォンは第三世代携帯電話網UMTSのスタートと同時に、大幅な値下げをするのではないかと見られている。T-モバイルは姉妹会社T-コム(ドイツテレコムの固定電話会社)との関連から、値下げ攻勢ができない状況にある。

 ドイツ携帯電話市場はまもなく飽和状態に達するため、携帯電話網運用事業者の成長チャンスは、新規顧客の獲得よりも一人当たり売上の増加にある。カメラ付携帯電話が増えれば、データ通信の割合も自動的に増加するが、そのためには料金値下げが不可欠だという。

2003年11月3日)

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