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ADACの団体バス旅行テスト

  ドイツ自動車クラブADAC35の団体バス旅行を抜き打ち検査した結果、ドイツの団体バス旅行の安全性を大幅に改善しなければならないことが明らかになった。ADACのマイヤー会長は、このテスト結果を鑑み、今後も団体バス旅行を定期的に検査すると語った。また、バス旅行業界に対して、2004年春までに任意に、統一した品質保証を導入するよう求めた。業界が任意に団体バス旅行の安全措置を取らない場合には、立法者が厳しい規定とコントロールにより、安全措置を義務付けなければならないとしている。

 ADACのテスト結果によると、35の団体バス旅行の内、6つが「不十分(不可の上)」、2つが「極めて不十分」であった。「たいへん良い(秀)」は2つ、「良い(優)」は8つ、「可」は17。「たいへん良い(秀)」と評価されたバス旅行会社はハイルブロンのGross Reisen InternationalとヘルネのAnton Graf GmbHで、最も悪い評価を受けたのはヴァーゲンフェルドのバス会社Lahrmannであった。

 重大な欠陥としては、バス会社の安全マネジメントの欠如(ギリギリに見積もられた行程プラン、運転手の安全運転トレーニング・緊急時の訓練の欠如など)、運転手の運転・休息時間の違反(運転手の過労)、スピード違反、危険かつ無責任な運転、安全対策の欠如(緊急時の設備の欠如、不十分な表示)、乗客への安全指示の欠如(安全ベルト使用の指示など)が挙げられる。また、行程やバス会社に関する情報不足も指摘された。

 ADACのテスト結果に対して、国際バス観光連盟RDAのガウフ事務局長は、2100万以上のバス旅行がある中で、35だけをテストしても業界全体を代表する結果とは言えないと批判した。また、ドイツバス会社連盟bdoは、抜き打ち検査は業界全体を代表する結果とは言えないが、弱点を改善するために、テスト結果を正確に分析しなければならないと語った。今年は団体旅行バスの事故で66人が亡くなっており、例年の平均25人を大幅に上回っている。

2003年11月3日)

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