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ドイツ人は預金通帳が好き

  依然として、分厚い紙に印刷された、しっかりした手ごたえのある預金通帳がドイツ人の最も好む投資形態である。ドイツの預金通帳の半分を製造している印刷会社によると、これは心理的な理由によるという。他の欧州諸国では、コンピューターベースの預金カードが多くなっているが、ドイツ人は預金通帳を手に持って、明白な文書の形で預金を見たい傾向が未だに強い。

 また、偽造予防措置がなされている預金通帳には、偽造が難しいという利点もある。不況の時代には、安全な投資への傾向が強まるので、預金通帳がますます見直されている。預金通帳は敷金として使われたり、祖父母が孫のために作ることが多いという。特に子供や青少年に預金通帳が好まれており、貯金箱や振替口座を大きく上回っている。

 そこで、預金通帳はますますカラフルに、重厚かつ上品になっている。特に中小の金融機関はオリジナルの預金通帳を重視しており、預金通帳の種類も豊富だ(ゴールド預金通帳、Dax預金通帳など)。銀行は若いターゲットグループ向けの預金通帳に力を入れているという。

 連邦統計局によると、ドイツの個人世帯は2002年に約1460億ユーロを貯蓄した。これは、平均で一人当たり約1800ユーロに相当する。不動産ローンやその他のクレジットの償却のほかに、貯蓄は貯蓄預金と定期預金(約37%)、有価証券(23%)、株式(5%)、生命保険契約(27%)に回されている。ドイツの実質貯蓄率は10,5%(0,1ポイント増)で、欧州比較では中位。

 2003年度州別貯蓄比較では、ブレーメンが一人当たり約8182ユーロ(+272ユーロ)で1位。前年1位だったバーデン・ヴュルテンベルクは8140ユーロ(-12ユーロ)で2位、バイエルンは8130ユーロ(-12ユーロ)で3位だった。旧西独10州の内の7州で貯蓄が減少しているのに対して、旧東独はベルリンを除く5州で貯蓄が増加した。

 ポストバンクの2003年度子供消費者分析によると、6歳~19歳の児童および青少年(約1100万人)では、83%が自分の預金通帳を、15%がお小遣い口座を、21%が自分の振替口座を持っている。この年齢層の購買力は2043000万ユーロで、一ヶ月の小遣いは平均で73ユーロ。13歳~15歳の男子の一ヶ月の小遣いは平均で41ユーロ、女子は38ユーロで、男子の方が女子よりも小遣いをもらっているという結果になった。児童および青少年の82%は小遣いの一部を貯蓄しており、17%は小遣い全部を銀行に預金している。

2003年11月3日)

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