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連邦参議院、法案に同意せず

 連邦参議院は117日(金)、労働市場改革法案(ハルツ法 III とハルツ法 IV:連邦労働庁の再構築、失業扶助と社会扶助の統合)に同意せず、両院協議会の招集を要求した。両院協議会はクリスマスまでに修正案で合意しなければならない。この法案は200411日に発効する予定である。(20031020日の主要ニュースを参照)

 連邦労働庁の再構築に関するハルツ法 III は連邦参議院の同意を必要としないが、連邦参議院は異議を述べる前に、両院協議会の招集を要求しなければならない。但し、連邦議会は連邦参議院の異議申し立てを退けることができる。

 そこで、コッホ・ヘッセン州首相は、ハルツ法 III とハルツ法 IV は密接な関係にある法律なので、両院協議会が両法案を分けて、参議院の同意を必要とする法案のみを扱うのではなく、2つの改革法案をセットで取り上げるように訴えた。

 一方、連邦参議院は、租税改革法案(2004年度予算付随法、誠実納税促進法、タバコ税法、営業税改革法)にも同意せず、両院協議会の招集を要求した。両院協議会は年末までに修正案で合意しなければならない。(20031020日の主要ニュースを参照)

 キリスト教民主同盟 CDU とキリスト教社会同盟 CSU の州首相は、原則的には減税(156億ユーロ)の前倒しに賛成しているが、減税負担額の大半(約80%)を新規借入で賄うことに強く反対している。そこで、CDU/CSU は、連邦政府が新規借入を大幅に少なくする(新規借入を減税負担額の最高25%までに止め、国民が実質で負担軽減を享受できる)と同時に、広範な労働市場改革でも歩み寄りがあれば(解雇保護の緩和、企業内での労使交渉の拡大など)、妥協の用意があることを明らかにしている。それに対して、政府も譲歩の余地があることを表明している。両院協議会での駆け引きが注目される。

20031110日)

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