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欧州委員会、男女平等な保険料を指令

  保険業界の強い反対にもかかわらず、欧州委員会は115日(水)、男女平等な保険料を規定する EU 反差別指令案を決定した。それによると、民間の生命保険会社と疾病保険会社は、女性の平均寿命が長いことを理由に、男性よりも高い保険料を要求することができなくなる。また、男性が自動車保険などで女性よりも高い保険料を払うことも認められなくなる。

 ディアマントプル EU 社会委員は、欧州における反差別主義政策の「新しい時代」に入ると語った。法定保険の「連帯の考え方」が民間部門にも導入されなければならないという。欧州委員会は、初めて、職場以外における男女平等のための法案を提示した。この新しい指令は、EU 市場におけるすべての商品・サービスにおける差別的な実践を撲滅することを目的としている。

 研究調査結果が示しているように、男女の平均寿命の違いは、生物学的な理由ではなく、むしろ環境・食物・社会的地位が重要な要因になっている。これらのすべての要因を考慮すれば、男女の平均寿命の差は最大で2年になり、86%の男女はほぼ同年齢で死亡すると、ディアマントプル EU 社会委員は根拠付けている。

 保険業界は、この指令が成立すれば保険料を値上げすると、威嚇してきた。ドイツ保険連盟 GDV は、男性のリースター年金の保険料が平均で10%ほど高くなると見ている。また、民間保険会社連盟は、欧州裁判所への訴訟も有り得るとしている。

 この指令案は欧州議会で審議された後、欧州理事会の同意を必要とする。

20031110日)

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