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連邦憲法裁判所、再び閉店法を審理

  連邦憲法裁判所は114()、大手百貨店のカウフホフが告訴している「閉店法による競争の歪み」についての口頭弁論を開いた。カウフホフは、制限された開店時間が市場競争の大きな歪みを招いていると主張したのに対して、連邦政府は今年春に緩和された閉店法を弁護した。労働組合と小売業連盟も開店時間の延長に反対している。

 ベルリンのカウフホフは19997月に「トリック」を使って(ベルリンのみやげ物の販売として特別許可を取得)、日曜日も開店していたが、ある宝石店の訴えで日曜日の開店を停止させられた。そこで、カウフホフは連邦憲法裁判所に憲法訴願を提出していた。

 閉店法には多くの例外があるために、ガソリンスタンドや空港、駅などでは、夜20時以降も日曜祭日も開店できる。閉店法における多数の例外と特別規定は不公平な立地上の利点をもたらしている。開店時間の統一した規定がなく、地方自治体の法律解釈に依存しているのが現状である。

 そこで、カウフホフは、日曜日の開店禁止は機会平等の原則と職業の自由に反すると主張している。土曜日の閉店時間が今年5月半ばに、16時から20時に変更されたが、この自由化はまだ十分ではない。国境地域では、日曜日に外国へ買い物に行く人が増加していることを指摘して、閉店法は「日曜日の安息」の確保には適していないと評価している。カウフホフの弁護士は、閉店法がドイツ小売業の競争力欠如の決定的なシンボルになっていると語った。

 それに対して、連邦政府は、閉店法が被用者の夜と週末の休息を守るとして、反論した。小売業における約270万人の従業員のうち72%が女性であり、社会的に適当な労働時間が女性にとって重要であるという。ドイツ小売業連盟も地方の中小の小売店の一方的な負担になるとして、日曜日開店に反対している。

 一方、Ifo 経済研究所は、開店時間の延長が競争の推進力になると見ており、ニッチを狙う小さな小売業にとっても革新的な要素になるとしている。ドイツ商工会議所連合会は、フランスや英国などでは自由化された開店時間がスムーズに機能していることを指摘した。

 閉店法は1900年の法律に起因しており、当時は21時まで開店できた。第二次世界大戦中は商品不足ゆえに17時に閉店していたが、戦後再び1830分まで開店できるようになった。現在の開店時間は、月~土の6時~20時まで。

 判決は数ヵ月後になる見通しである。

2003年11月10日)

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