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オペル、操業短縮で解雇を回避

  販売不振と赤字が続いている自動車メーカーのオペルと事業所委員会(被用者の代表機関)は、リュッセルスハイム本社工場の生産労働者(約5500人)の労働時間を週 35 時間から 30 時間に短縮することで合意した。オペル社は、短縮される 5 時間の内の 2,6 時間に対しては賃金補償をする。その結果、労働者の所得は1ヶ月当たり実質で8085ユーロほど削減される。この“30 plus”プログラムにより、1200の職場を保持することができるという。同プログラムは2004年末までの期限付きで、リュッセルスハイム本社工場(従業員総数21000人)にだけ適用される。

 また、このプログラムの枠内で、管理職員(約750人)の休暇日数は 2 日間減り、相応に休暇手当ても削減される。その他の職員(研究開発、販売、管理部など)の労働時間は賃金補償なしに、1日当たり 10 分間長くなる(年間36時間)。職員の賃金補償のない労働時間延長により、生産労働者の労働時間短縮に伴う一部賃金補償(週2,6時間分)を補うことになる(全従業員の連帯)。

 フォルクスワーゲン社の週 4 日システムとは異なり、オペルモデルでは、生産工場の稼働率が低くても、技術者は新車の研究開発で残業するという場合に、バランスよく対応できるという。オペル社は “30 plus”プログラムにより、2004年には黒字転換を達成する計画である。

 シュレーダー首相は、企業が解雇ではなく、フレキシブルな労働時間規定で厳しい経済状況に対応することは喜ばしいと語った。また、金属産業労働組合のフーバー氏は、実質所得の削減はきついが、職場確保の優先が従業員に認められたと評価した。現在、ドイツテレコムなどの他の企業も労働時間短縮によるコスト削減について事業所委員会と交渉している。

2003年11月10日)

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