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医療ミスの増加

  バイエルン州医師会によると、同医師会に医療ミスの鑑定を申請する患者が急激に増加している。2001年の鑑定申請は610件であったが、2002年には740件に増加、20031月~6月はすでに330件の申請があるという。2002年は、申請全体の29%が医療ミスとして認定された。

 医師会は深刻な医者不足問題を指摘している。医師の職業が若者にとって魅力的でなくなっている原因としては、長い労働時間/少ない給与/悪い労働条件が挙げられる。しかも、医学生の25%が途中で学業を中断しており、医学部卒業生が減少しているという。

 また、医学部卒業生の4人に1人は医師にならずに、他の職業(薬品工業、団体、メディア、行政など様々な領域)に就いている。そこで、保健経済や保健マネジメントなどの大学卒業後の研修課程を提供する大学が増えており、公衆衛生と医学の組み合わせに人気が集まっているという。

 ホップ連邦医師会会長によると、ホームドクターだけでも2011年までに23000人の医師が退職すると推定されており、医師の需要は大きい。しかも、欧州裁判所の判決に基づいて、病院医師の待機時間を労働時間とする法律が制定されれば、最低15000人の新規採用が必要になる。しかし、医師不足ゆえに、病院がこの判決を実施できる状態にないのが現状であるという。

2003年11月10日)

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