オバサンの独り言

  最近、クラシックのコンサートへ行って感じることは、観客の高齢化だ。20代〜40代の人が少ない。大半がかなり年配の人たちだ。東ベルリンでコンサートへ行ったときは、定期演奏会 だったこともあるが、まるで老人ホームの音楽会のようで、びっくりしてしまった。高齢化社会と若い世代のクラシック離れを実感した。

 以前はそうではなかった。少なくとも、安い席には 若者が多かったし、観客の世代が混ざっていた。バッハやハイドン、ベートーベン、ワーグナーなど数々の偉大な音楽家を生み出してきたドイツでも、クラシック音楽は老人の音楽になりつつあるのだろうか。

 いや、そうでもないらしい。学校では音楽の時間にちゃんとクラシック音楽を勉強しているし、家ではCDでクラシックも聴いている。ピアノやバイオリンのお稽古も盛んなようだ。ただ、この若者たちが10年後、20年後にクラシックコンサートへ行くようになるのだろうか。

 オーケストラも観客の高齢化には危機感を持っているようで、子供や若者 も気軽に行ける魅力的なクラシックコンサートを企画し始めている。将来の観客である子供たちに生のコンサートのすばらしさを体験してもらうことが、オーケストラの存続につながるからだ。年をとれば自動的に、クラシックコンサートへ行くようになるというわけではないのだから。

 バイエルン州政府が コスト削減ゆえにバイエルン放送の2つのオーケストラを1つに減らすように要求しているという記事が報道されていたが、お金がなくなってくると、まず最初に節約するのが文化部門というのは世の常か。ドイツ伝統のクラシック音楽にとって、ますます前途多難なご時世になってきたようだ。

20031117日)

戻る