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欧州委員会、ドイツに緊縮予算履行義務を要求

 欧州委員会は1118日(火)、ドイツ政府に新たな緊縮予算履行義務を要求した。それによると、ドイツは2005年までに財政赤字をマーストリヒト条約の「安定協定」の上限 3%以下にしなければならない(1年間の猶予を与える)。そのために、2004年の歳出をさらに 60 億ユーロほど削減し(景気調整済み財政赤字の国内総生産比の 0,8%ポイント引き下げ)、2005年はさらに 20 億ユーロほど削減しなければならない(最低 0,5%ポイント引き下げ)。ドイツは200419日までに、相応の立て直しプランを欧州委員会に提出する。この履行義務を果たせなかった場合は、制裁金を払わなければならない。アイヒェル連邦財務相は、不当な要求としてこれを退け、徹底して抵抗する意思を明らかにした。

 欧州連合加盟国の財務相は1125日(火)に、欧州委員会が決定した、ドイツに対する制裁手続きを決議する。可決には3分の2の多数票が必要である。しかし、ドイツが激しく抵抗しており、フランスとイタリアがドイツ側に立って、決定をボイコットできるため、3分の2の多数は難しいと見られている。ソルベス委員は、ドイツとフランスを同じように扱うことを強調した。フランスに対する履行義務要求については、財務相はまだ決定していない。

 欧州委員会のソルベス委員は、システムが機能できるように、安定協定に基づく制裁の信憑性を守らなければならないと語った。協定規定外で達成される政治的妥協でこの問題を解決することはできないという。それに対して、アイヒェル連邦財務相は、現在のドイツ経済危機をさらに引き延ばすような措置を欧州委員会がドイツに課すことは許されないと語った。2004年に力強い経済成長(2%)がなければ、2005年に安定協定の上限を厳守することはできないと見ている。

 連邦銀行と野党は連邦政府に対して、欧州委員会の決定を受け入れるよう求めている。キリスト教民主同盟と社会同盟は、アイヒェル財務相は欧州安定協定の墓穴を掘る人になったとして、辞任を要求した。それに対して、ドイツ銀行は、欧州委員会はドイツが開始した予算立て直しを過小評価していると批判した。

20031124日)

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