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CDU 党大会、税制改革と社会保障制度改革を決定

  キリスト教民主同盟 CDU はライプチッヒの党大会で、ヘルツォーク委員会の社会保障制度改革案とメルツ氏の税制改革案を決議し、抜本的な政策変更を決定した。(2003106日と113日の主要ニュースを参照)

 メルツ氏の大幅に簡略化された税制改革では、税率は12%(課税対象になる年間所得16000ユーロまで)、24%(課税対象になる年間所得1600140000ユーロ)、36%(課税対象になる年間所得40001ユーロ以上)の3段階から成り、一人当たり8000ユーロの基礎控除(子供にも適用)と被用者一人当たり1000ユーロの被用者控除が適用される。それに対して、多くの税制上の優遇措置が削減ないし廃止される。年金は課税され、年金保険料は免税される。

 また、ヘルツォーク委員会の社会保障制度改革では、法定疾病保険料は、所得に応じた保険料ではなく、一人当たり一律の保険料月額200ユーロとする。但し、子供は無料とし、そのコストは税金で賄う。低所得者の保険料も税金で賄う。使用者は名目上の給与の6,5%を保険料として被用者に支払う。被用者はこの保険料を所得として課税しなければならない。歯の治療と疾病給付金は法定疾病保険の給付リストから削除しない。

 介護保険は賦課方式から積み立て方式に切り替える。介護保険も一人当たり一律の保険料を計画しているが、金額は決定していない。子供のいる親は子供一人当たり月額10ユーロの介護保険補助金を取得する。

 年金保険では、年金受給年齢を67歳に引き上げる。保険年が45年の人は63歳から満額の年金を受給できる。人口統計上の要素を考慮して、年金引き上げ幅を少なくする。長年、フルタイム労働に従事していた人の年金は社会扶助を最低15%ほど上回ることを保証する。1992年以降に生まれた子供に対しては、女性の保険年に加算される養育期間をこれまでの 3年から 5年に引き上げる。それ以前に生まれた子供に対しては、これまでの 1年から 3年に引き上げる。子供のいる親は子供一人当たり月額50ユーロの年金保険補助金を取得する。このコストは税金で賄う。

2003128日)

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