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連邦内閣、長期的年金改革法案を決定

  連邦内閣は123日(水)、中期的・長期的年金改革法案を決定した。改革法案の中核は持続性要素(人口統計上の要素)の導入で、長期的に老齢年金給付を引き下げること、早期退職による老齢年金受給を抑制すること、年金保険積立金を増やすこと、年金課税と年金保険料免税を実施することを目的としている。この年金改革法案は連邦参議院の同意を必要とする。与党は、連邦議会での決議は来年春以降になると見ている。

 主な内容は次の通り。(20031027日の主要ニュースを参照)

     2030年までに、老齢年金の水準を名目上の賃金の約40%に引き下げる(現在は48%)。

     早期退職による老齢年金の受給を抑制するために、実際の老齢年金受給年齢を63歳以上に引き上げ、法定老齢年金受給年齢(65歳)との差を少なくする。

     リースター年金を簡易化する。その目的は、民間の追加老齢年金により、少なくなる法定年金を補うこと。

     200511日以降に契約した生命保険の保険金収入は課税される。2004年末までに契約された生命保険には、この規定は適用されず、従来通りの租税上の優遇措置(免税)が有効である。

 シュミット連邦保健・社会相は、この中期的・長期的年金改革は年金保険制度の安定化への大きなステップだと語った。若い世代が負担でき、高齢者世代が信頼できる年金制度を目指しているという。アイヒェル連邦財務相は、年金課税と保険料免税により被用者の負担が軽減されるので、被用者に民間老齢年金の余裕ができると語った。キリスト教民主同盟 CDU と社会同盟 CSU は、この年金改革法案には「家族の要素」が十分に考慮されていないとして、同意するかどうかは全く未定だという見解を明らかにした。

  一方、シュミット保健・社会相は、2004年は年金引き上げが見送られるが、2005年は再び引き上げられる見通しだと語った。

2003128日)

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