オバサンの独り言 このところ、毎日霧が出て、一日中どんより薄暗い日が続いている。うつ病でない人でも、「うつ」になりそうなドイツの冬である。 そんな暗い冬を吹き飛ばすかのように、ドイツの町々はクリスマス市で賑わっている。ミュンヘンでも市庁舎前に大きなクリスマスツリーが飾られた。あちこちの屋台から匂ってくるグリューワインや焼きソーセージ、焼き栗などの香りがクリスマスの到来を告げている。 お母さんやおばあちゃんたちはプレッツヒェン(クッキー)を焼き始め、クリスマス準備に大忙し。この活気づいたウキウキする忙しさがなかったら、気が滅入りそうなドイツの冬をとても乗り切れないのではないかとしみじみ思う。 プレゼント買いも楽しい忙しさの一つだ。今年は何で驚かそうか、喜ばせようかと、あれこれ考えながら買い物をすれば、日常生活のいやなことも忘れてしまう。ドイツの師走も何かと気ぜわしいが、一年で一番楽しい季節でもある。 買い物帰りの電車の中で、15歳ぐらいの女の子二人がクリスマスプレゼントの話をしていた。「プレゼントをもらうのはうれしいけれど、何をあげるかを考えるのがたいへんなのよね」という話らしい。その女の子は祖父母へのクリスマスプレゼントに頭を悩ませているのだという。「小さい頃は、絵を描いてあげれば、おばあちゃんもおじいちゃんも喜んでいたけれど、今はもう、そういう歳でもないし。何が欲しいと聞いても、何もいらないと答えるし。だからといって、何もあげなければ、がっかりさせるし・・・。しかも 8人だからたいへんなの。」とため息をついていた。「えっ、どうして 8人?」と、興味津々に聞いていたら、謎が解けた。父親の両親と父親の再婚相手の両親、母親の両親と母親のボーイフレンドの両親の計 8人なのだそうだ。なるほどー、現代っ子たちも苦労しているんですね。 (2003年12月8日)
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