ドイツの主要ニュース

両院、改革法案を可決

 連邦議会と連邦参議院は1219日(金)、税制改革と労働市場改革、年金改革から成る広範な改革法案を可決した。成立した法律の大半は200411日に発効する。与野党は両院協議会で税制改革(所得税減税、タバコ税引き上げ、営業税改革、脱税者に対する期限付き恩赦など)と労働市場改革(労働市場改革法、ハルツ法IIIIV、手工業法改正など)、年金改革(2004年の年金引き上げ見送り、年金受給者の介護保険料全額負担、年金金庫の変動準備金の取り崩し、年金支給日を月末に変更など)の諸法案で合意していた。(2003929日、1020日、1110日、1215日の主要ニュースを参照)

 連邦議会では、特に、「長期失業者はあらゆる労働(職場)を受け入れなければならない」という事項に反対する12人の与党議員が反対票を投じたため、与党は労働市場改革法案では実質的に目標の単独過半数を達成できなかった。反対票はSPD6票、緑の党が6票、CDU/CSU2票、PDS2票だった。

 改革法案が可決した後、連邦政府と野党のCDU/CSUは、引き続き、租税制度を抜本的に改革する意向であることを明らかにした。シュレーダー首相(SPD)は、CDU/CSUと一緒に租税制度簡略化を進める用意があると語った。但し、CDU/CSUが本気で税制上の優遇措置を削減・廃止する用意があるかどうかは疑問だと懸念を示した。

 それに対して、税制大改革を2005年初頭に実施すべきだと主張するメルツ氏(CDU)は、シュレーダー首相の発言を歓迎すると同時に、CDU/CSUにコンセプトを要求するのではなく、首相自身が積極的に具体案を提示しなければならないと語った。シュトイバー・バイエルン州首相(CSU)は、CDU/CSU2004年春には共同で税制改革コンセプトを連邦議会に提出する意向であることを明らかにした。

 一方、連邦参議院は、税制改革と労働市場改革、年金改革から成る諸法案には同意したが、2004年度連邦予算と2003年度補正予算は否決して、両院協議会の招集を要求した。最終的には、これらの予算案は連邦議会で再度可決されて、成立することになるが、成立の時期が遅れるために、計画している投資などに影響が出てくるものと予想される。コッホ・ヘッセン州首相(CDU)は、連邦政府の「法外な誤った判断」を否決の理由として指摘した。連邦参議院はこのようなリスクの多い予算の共同責任を取ることはできないとしている。(20031110日と121日の主要ニュース参照)

20031229日)

戻る