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家族と友人が最も大切な老後の備え

  B.A.T.(British American Tobacco)余暇研究所が14歳以上の市民2000人を対象に、「世代契約-将来の社会ネットワーク」アンケート調査を実施したところ、大半のドイツ人にとって最も信頼できる社会保障が家族であることが明らかになった。老後の備えはお金の問題だけでなく、物質的保障と共に、社会的ネットワークが重要な役割を果たしている。家族と友人との安定した関係が経済的問題を補い、世代契約における持続的な負担調整を保証している。

 アンケート調査結果によると、29歳以下の市民の24%が両親の世話をしているか、両親の家事の手伝いをしている。また、親の3分の1は成人した子供に経済援助をしている。余暇研究所のオパショヴスキー教授は、老後の備えにおいて、家族よりも信頼できる、「安くて慈悲深い」生命保険はないと語った。

 シュミット連邦家族相は、「家族同盟は今なお機能している」として、家族をベースにした世代契約が社会的団結をもたらしていることを指摘した。家族における連帯が社会を支える柱であり、家族がどの世代にも最も重要な社会的ネットワークであるという。シュミット家族相とオパショヴスキー教授は、家族のつながりは老後の社会保障としては十分ではなく、家族以外の友人関係の価値が高まっていることを強調した。家族と友人は価値不変の投資であるという。

 2004年は、ドイツ人の3分の1に子供がいない。多くの独身者と子供のいない人は、老後に孤独にならないために、友人との密接なネットワークを構築しなければならない。子供のいない人は、他の人が子供を育てることの恩恵を受けているのだから、子供のいない人の租税上の負担を増やすことは公平な措置であると、シュミット家族相は語った。

 アンケート調査結果によると、ドイツ人の半分弱が老後の備えとして民間生命保険を挙げている。3分の1弱は貯金通帳の積立金を、同じく3分の1弱は不動産を頼りにしている。株式を挙げた人は11%に過ぎないが、株式の位置価値が増える傾向にある。

2003年12月29日)

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