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ラウ連邦大統領、来年の大統領選挙への立候補を断念

ラウ連邦大統領は94日(木)、2004523日の連邦集会における連邦大統領選挙に立候補しないことを明らかにした。連邦大統領の任期は5年で、連続再選は一回限り認められているが、与党(社会民主党SPDと緑の党)が連邦集会で過半数に満たないため、ラウ大統領の勝ち目はほとんどないと見られていた。しかし、ラウ大統領は、勝ち目のない選挙ゆえの諦めではなく、来年73歳になる彼の「個人的な人生設計」が立候補断念の理由であることを強調した。

ラウ大統領の立候補断念発表後、与党内では、ドイツで最初の女性大統領を望む声が強くなっており、候補者として、連邦憲法裁判所の最高裁判官だったリンバッハ氏(現在、ゲーテ・インスティチュート理事長、SPD党員)などの名前が挙がっている。前回大統領選のキリスト教民主同盟(CDU)/社会同盟(CSU)のように、どうせ勝ち目がないのなら、できるだけ進歩的な候補者、すなわち女性候補者を出そうというのが狙いのようだ。

それに対して、CDU/CSUは、性別に関係なく、適任者を選出するとして、自由民主党(FDP)との意見調整を図る意向である。CDU/CSUSPD/緑の党も連邦集会で過半数を得られないため、FDPの支持が必要になる。FDPがどちらと組むか、この小さな政党が連邦大統領選挙の鍵になりそうだ。

2003915日)

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