オバサンの独り言 パリの世界陸上をテレビで見ていたら、3000m障害で先頭を走るアフリカの選手が画面に映った。ちょうど、障害物を飛び越えるところだった。すると、ドイツ公共放送局の解説者がこう言ったのだ。「彼らの国では、切り株や石でデコボコの道が多いので、障害物には慣れているんです。……兄弟姉妹が多いから、食事のときも早く食べないとなくなってしまう。競争なんです。学校が終わったら一番先に家に帰って食事にありつこうとする。だから駆け足が速くなるんですね。……」 私は一瞬、我が耳を疑った。これって、豊かな先進国ドイツの傲慢さ、それとも今大会全く振るわなかったドイツ人のひがみ? こんな低俗なコメントで選手を評価するなんて、厳しいトレーニングに励んできた選手たちに失礼ではないか。だったら、どうしてアメリカやロシア、フランス、スウェーデンがメダルランキングで上位になったのか説明してほしいじゃないの。日本と並ぶ28位にダウンしたドイツ陸上の青少年育成戦略は、デコボコ道と子沢山と食糧不足だとでも言うんだろうか。
(2003年9月15日)
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