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欧州の教育相、欧州大学制度改革で合意

欧州の大学制度改革と教育制度の統合を目指す教育相会議がベルリンで開催された。欧州40カ国の教育相は919日(金)、学士(Bachelor)と修士(Master)の二段階に分けた大学終了資格(欧州統一した資格)と三つ目の教育コースとしての博士課程を2005年までに導入することで合意した。ブルマーン連邦教育相は、優れた・学際的な博士課程は、欧州の先行する研究開発・技術革新に持続的に貢献すると語った。

この合意の目的は、共通の欧州大学圏を構築することである。同じ基準に基づいて、同じ条件の下に、欧州内のどの大学でも学ぶことができ、成績も権利(奨学金など)も同じように認められる「国境のない大学」を目指している。

 欧州諸国は2005年までに学士・修士課程二段階制度の導入を開始し、2010年までに完全実施しなければならない。また、各国は2005年までに大学品質保証制度を構築しなければならない。そこで、ブルマーン教育相は大学に対して、大学の独立性の枠内で、内部・外部の評価方法を開発するよう要請した。各国が明確な責任と国際評価を伴う国内品質保証制度を構築し、欧州大学品質保証ネットワーク(ENQA)が欧州の学長連盟と学生団体と協力して、共通標準・方法を作成するという。

成績評価を標準化して、学生の移動を容易にするために、欧州成績点数制度European-Credit-Transfer-System(ECTS)が学業成績を算定する。また、各課程の品質を保証するために、認定制度が導入される。

ドイツでは、これまでに1900の学士・修士コースが設置されているが、認定されたのはその内の400に過ぎない。2005年の新システム導入に向けて、資金不足と大学側の抵抗が今後の課題になりそうだ。

2003929日)

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