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教員の宗教的スカーフ着用の禁止には法律が必要

 連邦憲法裁判所は924日(水)、イスラム教徒の女性教員が公立学校の授業中に宗教的なスカーフを着用することを法律なしに禁止するのは基本法に違反するという判決を下した。但し、そのような禁止を法律(州法)で規定できることを認めた。国の中立義務と宗教の自由の問題を決定するのは、官庁や裁判所の任務ではなく、立法者の任務であるとしている。

アフガニスタン出身で、1995年からドイツ国籍を有するイスラム教徒の女性教員が公立学校の授業中も宗教的なスカーフを着用することに固執したため、バーデン・ヴュルテンベルク州政府は国の中立義務を理由として、採用を拒否した。連邦行政裁判所はこの教員の訴えを退けていた。

判決によると、現在の法的状況では、この教員の採用拒否は違法であるが、州政府が法律を制定して、スカーフ着用を禁止すれば、採用を拒否できる。この女性教員の場合、公立学校の教員の宗教的スカーフ着用を禁止する法律がバーデン・ヴュルテンベルク州にないために、連邦憲法裁判所は原告の憲法訴願を認め、この案件を連邦行政裁判所に差し戻した。

  この判決後、バイエルン州、ヘッセン州、ニーダーザクセン州は、法律を制定して、公立学校における教員の宗教的スカーフ着用を禁止する意向を明らかにした。バーデン・ヴュルテンブルク州は十分に検討してから決定するという。ハノーバー福音ルター地区教会のケスマン監督は、「日常生活では宗教的なスカーフを着用してもよいが、教員には適用されない」と語った。それに対して、ドイツ労働組合連盟は、公勤務における平等な待遇への重要な一歩と評価している。

2003929日)

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