オバサンの独り言

 日本に帰るたびに、日本はブームが大好きな国だと思う。町を歩いていると、あんなに流行っていたルーズソックスがすっかり姿を消しているのに気付いた。女子高生に聞いてみると、今は紺のハイソックスが流行なのだそうだ。ルーズソックスはもう「ダサイ」のだとか。

 周りを見てみると、確かに、女学生はみんな紺のハイソックスをはいていた。他の色はなく、だれもが紺のハイソックスをはいているのである。どうしてみんな「紺のハイソックス」なのか不思議でならない。

 本屋へ行くと、入り口の一番良い場所に「冬のソナタ」と「ヨン様」に関する本が山済みになっていた。どこの本屋も同じ。2年前は「日本語」と「老い」に関する本がブームだった。ヨン様ブームは日本列島を制覇したようで、オバさんたちのヨン様熱は上昇する一方だとか。ヨン様を求めて韓国へ行くツアーも大流行だというから、驚くばかり。

 高級ブランドのバックにしても、制服の短いスカートにしても、若い女の子の化粧の仕方や服装にしても、みんな同じなのである。ペットブームになれば、今までペットを飼うなんて考えても見なかった人たちまでが、高価なペットを買って自己満足している。

 そもそも日本の狭い家屋内で犬を飼うなんて、飼われる犬にしてみれば、えらい迷惑な話である。広い庭はもとより、原っぱや森のない大都会で、ブームの「犬様」はアスファルトの歩道をおとなしく散歩している。 まるで「犬様」が高級ブランドのバックのように人に見せる物になってしまったかのように。

  外から日本を見ていると、日本人は「右に倣え」の国民だとつくづく思う。だから、日本ほどブームを作りやすい国はないのである。消費者はマスコミに踊らされている。これからの若い人には右だけでなく、左や前や後ろも見て欲しいと思うのだが・・・。

2004年11月8日)

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