ドイツのニュース

10%の要介護者は十分に介護されていない

    法定疾病保険金庫の医療サービス機関が発表した在宅・施設介護調査結果によると、ドイツの200万人以上の要介護者の10%は十分に介護されていない。要介護者の介護状況は過去数年間に改善されたが、まだ質の欠如が目立ち、改善の余地が大きいという。医療サービス機関は在宅介護で807件、介護施設で793件の介護の質を調査した。

 在宅介護では9%の介護状況が不十分であったが、施設介護では17%であった。調査者は特に、介護施設における食事と飲物、失禁用品のサービスに大きな改善の余地があると指摘している。40%のケースで床ずれ防止及び治療における欠如が見られた。しかし、医療サービス機関は総体的には調査結果をポジティブに評価している。介護ケースの大半は「相応の水準」にあり、確認された質の欠如を着実に改善していかなければならないという。

 疾病保険会社は、介護施設は質の向上を図るために対応策を積極的に進めなければならないとする一方、不都合な状況を疾病保険金庫に申し出るよう要介護者の家族に呼びかけた。また、ドイツ社会連盟は、要介護者とその家族は各介護施設のサービスの質に関する情報に関心を持っているとして、各介護施設に関する調査結果を公表するよう要求すると共に、質の向上と透明性の必要性を強調した。

 連邦政府によると、ドイツでは現在、約136万人が自宅で、65万人が介護施設で介護サービスを受けている。在宅サービスを受けている要介護者の半分弱、施設介護サービスを受けている要介護者の3分の2が80歳以上で、介護施設では要介護者の4分の3が女性である。

2004年11月29日)

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