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ブルマーン教育相、ハウプトシューレの廃止を提唱

   2回OECD学力調査結果で大きな改善が見られなかったことから、学校制度の抜本的改革を巡る論争が再び活発になっている。ブルマーン連邦教育相は、5年生から3つのコースに分かれる現行の学校制度を中期的・長期的に改革しなければならないとして、ハウプトシューレの廃止を提唱した。

 ブルマーン連邦教育相は、習得度レベルの一番低いグループの割合が21,6%に達していること、ギムナジウムだけに改善が見られ、ハウプトシューレでは全く改善が見られないこと、生徒の学力が社会的出身(親の学歴、職業、所得など)に大きく依存していること、低所得者層の子供と外国人の子供の教育チャンスが少ないことを指摘している。また、PISA調査で首位グループに入った国々に倣って、共通の学校教育期間を長くすることを提唱した(現在は5年生から3つのコースに分かれる)。さらに、学校制度改革のほかに、幼児教育の促進、全日制学校の拡大、教員の養成と継続教育の改善が重要であると語った。

 それに対して、全国文化相会議は学校制度の原則を巡る討議を拒否しており、現行の制度を基盤にした改革を進める意向であることを明らかにした。ドイツレアールシューレ教員連盟も現行制度の廃止に反対する声明を出して、全国文化相会議の改革(全日制学校の拡大、全国教育水準の設定、統一卒業試験の導入など)を歓迎した。ヘッセン州のヴォルフ文化相は、学校制度の変更ではなく、授業の質の向上が重要であるとして、ブルマーン連邦教育相の提唱を批判した。

 一方、ザクセン州やチューリンゲン州、ザクセン・アンハルト州、ラインランド・プファルツ州では、ギムナジウムとミッテルシューレ(ハウプトシューレ+レアールシューレ)の2コースに統合する傾向も見られる。シュレースヴィッヒ・ホルシュタイン州では、全員が10年生まで同じ学校に通う制度を導入する計画である。

2004年12月13日)

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