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トル・コレクトのシステム、来年1月1日にスタート

   いよいよ来年1月1日にトラック用衛星支援高速道路料金自動徴収システムがスタートする。シュトルペ連邦交通相は12月15日(水)、「技術が機能しており、システムは来年1月1日にスタートできる」と判断して、トル・コレクトにシステム運用許可を付与した。その結果、2003年8月31日の運用開始を2回も延期して大きな政治問題にまで発展していた「トル・コレクト問題」に終止符が打たれる。(2004年2月23日と3月1日のニュースを参照)

 2005年1月1日から12トン以上のトラックは走行距離に応じた高速道路使用料を払わなければならない。料金は平均で1km当たり12,4セント。年間約140万台のトラック(その内の約3分の1は外国からのトラック)がドイツの全長12000kmの高速道路網を利用している。

 シュトルペ連邦交通相は2005年に30億ユーロの収入を見込んでおり、その内の6億ユーロがトル・コレクトに支払われる。契約上、トル・コレクトは2006年1月1日から完全バージョンのシステム運用を義務付けられており、料金も平均で1km当たり15セントに引き上げられる予定である。それに伴い、連邦交通省は料金収入の増加を期待できる。

 衛星支援高速道路料金自動徴収システムの開発費は当初の計画2倍に膨れ上がり、約10億ユーロに達している。また、2回の導入延期による連邦政府の収入損失は数十億ユーロと見られており、政府は現在進行中の仲裁手続きでトル・コレクトに約46億ユーロの損害賠償を求めている。

 一方、シュトルペ連邦交通相は、この衛星支援高速道路料金自動徴収システムを一般乗用車には導入しないことをあらためて強調した。自動車税と石油税を払っている一般ドライバーには十分に負担がかかっているという。

2004年12月22日)

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