ドイツのニュース

パートタイム従業員の増加

    連邦雇用エージェンシーの労働市場・職業研究所(IAB)によると、ドイツではパートタイマーが増えている。2003年は約128000人の従業員が使用者にパートタイムへの切り替えを申し出た。これは2001年よりも44000人多い。

 2003年は平均で被雇用者の27%がパートタイムに従事しており、2年前よりも2ポイント上昇した。経済団体の反対を押し切って、連邦政府が2001年1月に被雇用者のパートタイム請求権に関する新しい法律を成立させたこともパートタイム増加の要因であるが、パートタイム傾向はそれ以前に始まっていたという。

 同研究所は、「多くの従業員が希望する労働時間で使用者と合意できた」として、現状をポジティブに評価している。新しい法律の発効に伴って、パートタイム申請と訴訟が急増するのではないかと懸念されていたが、パートタイムが申請されたのは8%の企業に過ぎず、その大半が大企業であった。旧西独ではパートタイム申請件数の4%、旧東独では11%が使用者から拒否された。比較的小さな企業の方が大企業よりも拒否率が高い。使用者は経営上の理由から従業員のパートタイム申請を拒否することができる。また、従業員数が15人以下の企業には新しいパートタイム請求権は適用されない。

 同研究所によると、企業の4分の1は新しい従業員の採用または解雇の回避のために従業員のパートタイム切り替えを利用している。また、フルタイムからパートタイムへの移行には生産性の要素があり、パートタイムに切り替えた従業員はそれまでと同じ業務を少ない時間で処理しなければならないケースが多く、プロセスが合理化されている。しかし、生産性の向上は雇用を創出せず、企業がその恩恵を受けている。

 多くのパートタイム従業員は後に再びフルタイムで働きたいと思っているが、旧東独ではそのような申し出の61%は拒否されている。旧西独では10%。不本意にパートタイムに従事している人の割合は旧東独で50%、旧西独で10%であった。

 依然として、パートタイムは女性が多く、パートタイム従事者の80%を占めている。女性の被雇用者の約半分がパートタイム従事者で、男性では11%に過ぎない。しかも、これらの男性の70%は収入の少ない仕事に就いており、その大半が年金受給者、学生、ミニジョブ従事者である。パートタイムの約半分は収入の少ない仕事である。

 経済団体はパートタイム自体を拒否していないが、被雇用者のパートタイム請求権には反対している。

2004年12月22日)

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