オバサンの独り言

 ミュンヘンでは週末に降った雪が家々のイルミネーションの演出効果を高め、すっかりクリスマスムードになっている。残りわずかとなったクリスマス市もグリューワインや焼きソーセージ、焼き栗を食べる買い物客で賑わっている。

 今年は消費者の買い控えが懸念されていたが、どうしてどうして、小売業はクリスマス商売に満足しているようだ。大きな買い物袋を下げた人たちがせわしいながらも楽しそうに師走の町を歩いていく。

 先日、様々な障害に苦しんでいる子供たちを支援するために寄付を集めるテレビ番組があった。たった2時間の放映中に600万ユーロ以上の寄付金が集まった。年末はいろいろな福祉団体が寄付を集めているが、テレビというメディアの効用というか、その影響力には驚かされる。物は使い様である。慈善事業にもテレビをもっと活用したらよい。

 日本の新聞には数億円を福祉団体に寄付した老夫婦の記事が載っていた。また、 全国の人たちから新潟県中越地震被災者への義援金やボランティアが集まっていると聞く。

 今年も景気が思ったほどに回復せず、社会保険給付の削減や失業問題、自然災害などの暗いニュースが多かった。一般庶民の生活は厳しくなっている。そんな世知辛い世の中でも困った人を助けようと思う温かい思いやりが忘れられていないのはうれしいことである。

 日本のお正月のように、ドイツのクリスマスは家族で祝う。だから、家族のいない独り暮らしの人にとっては、クリスマスは一年で一番寂しい孤独な日なのかもしれない。クリスマスには独り暮らしの人の自殺が多いと聞いたことがある。

 思いやりを大切にしたいものである。

2004年12月22日)

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