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連邦交通相、トル・コレクトとの契約を解約せず

   トル・コレクトがトラック用高速道路料金自動徴収システムを2005年からスタートするという期限を提示したことから、シュトルペ連邦交通相はトル・コレクトとの契約を解約しないことを決定した。トル・コレクトの提案は連邦政府の主な要求を満たしているとしている。

 トル・コレクトの提案によると、システムは2段階で導入される。まず20041231日に簡略化された形態(一部機能だけ)で導入され、完全に機能するシステムはその1年後の20051231日に運用をスタートする。第一段階の導入時期が遅れた場合には、1ヶ月当たり4000万ユーロ、第二段階の導入時期が遅れた場合には月々7000万ユーロの罰金を払う。トル・コレクトの賠償責任は年間最高5億ユーロに限定される。

 与党の交通専門家はトル・コレクトの提案に不満足であることを明らかにした。緑の党のシュミット氏は、システムが2006年に完全導入できるということは、トル・コレクトは契約に「偽りの署名」をしたことが明らかだと、厳しく批判している。

 トル・コレクトの提案はシュレーダー首相の要求を大きく下回っている。連邦は、20038月末に導入予定だったシステムの運用延期により、毎月約18000万ユーロの収入を失っており、新たなスタート延期の場合には完全なる損害賠償を要求していた。しかし、シュレーダー首相は、2段階のシステム導入を是認できると語った。

 連邦交通省によると、システム導入の遅れにより、今年末までに約28億ユーロの収入が入らないため、道路や鉄道への投資を削減しなければならないという。一方、トル・コレクトは年末までに、見込んでいた約10億ユーロの収入を失い、約2億ユーロの罰金を支払わなければならない。

200429日)

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