オバサンの独り言

 ミュンヘンでは、今、寿司ブームだ。日本レストランやアジア系レストランで寿司を食べるドイツ人が増えている。寿司の売店も多くなった。以前は、見本市会場での軽食はソーセージとパンだったが、今は寿司や日本食の店があり、ドイツ人や外国人がソーセージの代わりに、味噌汁をすすり、お箸で寿司を食べている。若者にいわせれば、「クール」なのだそうだ。しかし、日本食が見直されていることは事実だ。

 寿司だけでなく、日本の漫画やアニメ映画も人気がある。最近では、日本をテーマにした「ラスト・サムライ」や「ロスト・イン・トランスレーション」などの映画も上映されている。メディアやインターネットのおかげで、日本が身近になったのかもしれない。「エキゾチックな極東の異国文化」という偏見が薄れてきたように思う。

 日本語のできるドイツ人女性から聞いた話だが、彼女が乗り込んだ電車に日本人男性二人が座っていた。この二人、止まる駅ごとに、窓から見える女性たちのことを盛んに話していたそうな。「あの女はボインだな。やっぱり、白人のオッパイは大きいなあ。」などと、卑猥なことをニヤニヤしながら大声で話していたそうだ。同じ車室に座っているドイツ人女性が日本語ができるなんて、夢にも思わなかったのだろう。結局、このドイツ人女性は最後まで日本語で話しかけなかったそうだが、もし、日本語で話しかけていたら、二人の日本人男性は・・・・・。

 一般に、日本語は難しい言語だといわれている。しかし、好奇心旺盛で、外国に対する偏見のない若者たちは違和感なしで日本文化に興味を持っている。日本語を習うことにも抵抗がないようだ。「日本語だから、だれも理解できないだろう」なんて安心して、大声で話していると、とんだ失敗をするかもしれませんよ。

200429日)

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