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シュミット保健社会相、介護保険の大幅赤字を認める

 連邦政府は211日(水)、法定介護保険の赤字が今後2,3年間で急増することを初めて認めた。カスペルス・メルク政務次官が保健委員会で語ったところによると、現行の法律に基づくと、1,7%の保険料率は2006年までしか維持できないという。

 連邦保健社会省の算定によると、2003年の赤字(収入と支出の差額)は67000万ユーロであったが、2007年には9億ユーロに増大する。収入減少の主因は高い失業率。2002年の赤字は約4億ユーロであった。赤字急増に伴い、1990年代中頃に構築された介護保険積立金(変動準備金)は2003年の427000万ユーロから2007年は92000万ユーロに減少する見通しである。

 本来、この変動準備金は、人口統計上の理由から介護経費が増大するのを吸収するために形成された。2007年末の変動準備金は支出の0,57か月分と、法律で規定されている「支出の半月分」という最低額をかろうじて上回るに過ぎなくなる。

 しかも、この算定では、介護保険改革のコスト(シュミット保健社会相が2004年に計画している、子供を扶養する親の保険料負担の軽減)が考慮されていない。シュミット保健社会相はこの改革のコストを明らかにしていないが、積立金を財源にすることは確実である。そうでなければ、来年から介護保険料の引き上げは避けられない。

2004216日)

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