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金属産業、賃金交渉で合意

   バーデン・ヴュルテンベル地区の金属産業労組と経営者は212日(木)、金属・電機工業の賃金交渉で合意に至り、ストライキを回避した。合意した新しい労働協約によると、今年31日に賃金・給与が2,2%、20053月にさらに2,7%引き上げられる。

 また、労使は、賃金補償なしでも労働時間を延長できる規定で合意した。週35時間の労働時間は引き続きベースであるが、事業所における労働時間のフレキシブル化が強化され、事業所は従業員の一部の労働時間を最高40時間まで引き上げることができるようになる。但し、労働組合の同意を必要とする。職場を確保するために、特別手当の削減も可能になる。職場の確保と事業所の競争力改善のために、事業所の労使の自立性が強化される。新しい労働協約の適用期間は26ヶ月とする。

 労使共に、新しい労働協約の締結に満足感を示した。金属産業労組のペータース委員長は、労働組合首脳部は他の交渉地区に対して、この労働協約を受け入れるよう勧めると語った。金属産業経営者連盟のカネギーサー会長も他の賃金交渉地区に受け入れを促した。

 この合意を受けて、全国で計画されていた警告ストは中止された。旧西独の経営者と従業員代表は、この妥協が広く受け入れられるものと楽観的に見ているが、旧東独の経営者は賃上げ率が高すぎると批判している。

 シュレーダー首相もクレメント連邦経済相も労使の合意を歓迎している。メルツ氏(CDU)はストライキの回避を歓迎する一方で、労働時間に関する合意内容は競争力のある生産性を達成するには十分でないと懸念を示した。ドイツ工業連盟のロゴヴスキー会長は、雇用を創出するためには、賃上げ率が高すぎると批判している。

2004216日)

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