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学術審議会、学籍統制の撤廃を勧告

    学術審議会は、学籍統制を撤廃するための抜本的改革を勧告した。入学許可数が制限されている学科の学生を大学が自ら選択できるようにすべきであると提唱している。その場合、高校卒業資格試験の成績が重要な基盤になるという。また、入学許可数が制限されていない学科には、1年間のオリエンテーション期間を設置し、その終了時に、学生の適正を試験することを提案している。

 州がこの勧告に従うことで一致した場合には、大学学籍配分センター(大学入学許可中央調整本部)ZVSは現在の形態では不要になる。ブルマーン連邦教育相は ZVS の閉鎖に反対していない。バーデン・ヴュルテンベルク州のフランケンベルク学術相は「学籍の解放」を歓迎している。

 キリスト教民主同盟 CDU/社会同盟 CSUが政権を握る州政府は、大学が学生の半分を選択し、4分の1は高校卒業資格試験の成績で入学を許可し、残る4分の1は大学学籍配分センターZVSで入学を許可することを提案していた。それに対して、社会民主党 SPD が政権を握る州政府は、学籍の4分の1を最も優秀な学生に与え、さらなる4分の1を大学が選択し、残りを ZVS が入学許可するというモデルを提案していた。

 しかし、学術審議会の勧告では、ZVS はもはや学生の選択に関与しない。但し、ZVS は大学のサービス施設として、今後も必要であるという。

 学術審議会によると、大学の選択権と優秀な高校卒業資格試験合格者の請求権は重要な基準である。但し、その前提になるのは、州が統一した高校卒業資格試験、あるいは少なくとも州内の高校卒業資格試験を比較できる統一した標準を導入することである。

 現在、大学大綱法によると、大学は学生の 5分の1を自ら選択することができる。しかし、多くの学部はその選択権を行使していないのが現状である。そこで、学術審議会は、大学が学生を選択する方法を開発するよう要請している。

 大学学長会議のゲートゲンス氏は、学生の選択は大きな負担になるが、大学の質の向上のためには不可欠であると語った。学生の選択に伴い、学生のための相談所も必要になるが、その結果、高い中途退学率が低下するものと期待している。学科によっては、中途退学率が50%に達しているという。

2004216日)

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