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企業の研究開発投資、減少傾向

    シュレーダー首相は2004年を「技術革新の年」として、技術革新政策の推進を宣言した。しかし、ドイツ学術支援財団連盟が発表した「ドイツ企業の技術革新に関するアンケート調査結果」によると、ドイツ企業の2003年度研究開発投資総額は2002年よりも約1億ユーロ減少し、今年も研究開発投資を削減する企業が多い。連邦政府の技術革新政策にもかかわらず、国内総生産に占める研究開発投資の割合は今年も縮小する見通しである。

 昨年、ドイツ企業が研究開発に投資した総額は対前年比0,2%減の444億ユーロであった。2002年は前年比1,6%増の445億ユーロ。今年は、研究開発投資を増やす計画の企業は25%に過ぎず、14%が投資削減を、61%が昨年並みの投資予算を計画している。

 同連盟は、政府に対して、「技術革新本部」を設置する代わりに、研究開発予算を増やすと共に、民間の研究投資(全体の3分の2を占める)に対する租税上の優遇措置をとり、研究者の解雇保護を緩和させなければならないと提唱している。多くの企業は、経済危機の際に研究者を解雇することが難しいために、研究者の雇用を躊躇しているという。また、市場の不確実性も研究開発投資減少の要因になっている。

 ドイツは、2010年までに、国内総生産に占める研究開発投資の割合を3%に拡大することを欧州連合に約束している。この割合は1995年から2002年までに0,27%ポイント増えて2,52%になった。しかし、2003年は2,51%、今年は2,50%に低下すると予想され、このままでは3%の目標達成は難しいと見られる。OECD加盟国の中では、ドイツは8位。最大輸出国、先端技術国家を維持するためには、「技術革新の基盤」である基礎研究にもっと投資しなければならないと、同連盟は指摘している。

2004223日)

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