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CDU/CSU FDP、連邦大統領候補者で合意

 キリスト教民主同盟・社会同盟 CDU/CSU と自由民主党 FDP 34日(木)、国際通貨基金の専務理事であるホルスト・ケーラー氏(61歳)を3党の連邦大統領候補者とすることで合意したと発表した。ヨハネス・ラウ連邦大統領の後任者は523日の連邦集会で選出される。現在、CDU/CSU FDP が連邦集会で過半数を占めているため、3党共同の候補者決定が注目されていた。

 ポーランド生まれのホルスト・ケーラー氏はライプチッヒとルードヴィヒスブルクで幼年時代を過ごし、チュービンゲン大学で経済学を学んだ。1976年に官吏になり、1992年までコール政権の連邦財務省事務次官であった。20003月に国際通貨基金の専務理事に就任した。CDU 党員。

 CDUCSUFDP の各党首は、ケーラー氏は国際経験豊かな、世界的に著名な金融・経済専門家であり、次期連邦大統領に適任であると語った。また、3党の合意が2006年の政権交代への明確なシグナルであることを強調した。

 CDU/CSU はショイブレ氏(CDU)を候補者にする意向であったが、FDP の反対で断念せざるを得なかった。CDU/CSU は連邦集会で FDP の票に頼らなければならないため、「戦略的な決定」で合意した。共同候補者の決定まで、特に CDU/CSU 党内でメルケル CDU 党首に対する批判の声が大きくなっていた。

 一方、CDU/CSU FDP の共同候補者発表後、シュレーダー首相(SPD)は、フランクフルト(オーダー)の欧州大学学長である政治学者ゲズィーネ・シュヴァン女史(60歳、SPD党員)を SPD と緑の党の共同候補者に立てると発表した。

 今回も政治色の強い戦略的な候補者決定になり、連邦大統領の尊厳が損なわれたという批判の声が大きい。ケーラー氏もシュヴァン氏も専門家としては国際的に著名であるが、国民にはほとんど知られておらず、連邦大統領に対する国民の関心がますます低下することが懸念されている。そこで、国民の直接選挙で連邦大統領を選出すべきたという案が再び浮上してきた。

200438日)

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