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経済研究所、今年の成長予測を下方修正

   キールの世界経済研究所IfWの予測によると、今年はユーロ高がドイツとユーロ圏の経済成長に著しい影響を及ぼす。同研究所はドイツの2004年度経済成長率予測を1,8%から1,6%に、ユーロ圏は2,1%から1,7%に下方修正した。

 専門家は、ユーロ圏の経済は全体的に停滞から脱出したが、上昇には至っていないという見解である。ユーロ圏の2005年の経済成長率は2%と予測している。それに対して、ドイツの国内総生産の伸びは2005年に再び1,2%に鈍化するもとの予想している。今年は労働日数が例年よりも多いことが、国内総生産の上昇に0,6ポイント貢献しているが、2005年にはその効果がないことを理由として挙げた。

 大きな財政赤字と社会保険制度問題の深刻化から、租税公課負担の増加が予想され、その結果、個人世帯の所得見通しが圧迫されて、消費支出の伸びが抑制される。従って、以前の景気上昇期に比べると、今年と来年の国内総生産の成長はなだらかになると見られる。

 世界経済研究所IfWの予測によると、ユーロ圏の今年の経済成長率では、ポルトガルが最低で0,7%、オランダが0,8%、イタリアが1,0%、フランスが1,5%で、ドイツよりも低く、最も高い成長率はギリシャの5,2%で、それにアイルランド(3,0%)、スペイン(2,8%)、ベルギー(2,2%)が続く。ドイツとフランスは今年と来年もマーストリヒト条約の「安定協定」(財政赤字に国内総生産(GDP)比3%の上限を設定)を守れないと見ている。ドイツの財政赤字の国内総生産比は今年3,8%、来年3,6%と予測している。

 一方、ハンブルク世界経済研究所とハレ経済研究所もユーロ高を要因として、ドイツの2004年度経済成長予測を1,5%に下方修正した。六大経済研究所は春の共同経済見通しを427日に発表する。

2004315日)

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