ドイツの主要ニュース

ミュンテフェリング氏、SPD 党首に就任

 社会民主党 SPD 321日(日)、臨時党大会でフランツ・ミュンテフェリング連邦議会議員団長(64歳)を党首に選出した。得票率は95,1%だった。シュレーダー首相が昨年11月に党首再選された時の得票数は80,83%。ミュンテフェリング氏は連邦議会議員団長も兼任する。また、辞任したショルツ幹事長の後任にはクラウス・ウヴェ・ベネター連邦議会議員が選出された。得票率は78,74%だった。(200429日の主要ニュースを参照)

 シュレーダー首相とミュンテフェリング新党首は、党内で批判されている社会保障制度改革を弁護した後、「アジェンダ2010」改革路線を一貫して推進する意向であることを明らかにした。その一方で、労働組合と SPD の団結を喚起し、労働組合が要求する職業訓練職場保証のための法案を支持することを明言した。5年間党首であったシュレーダー首相からミュンテフェリング氏に党首交代することで、SPD は党支持率の低下に歯止めをかけ、挽回を図る。

 しかし、党勢低迷の責任を取って、党首を辞任したシュレーダー首相の弱体化は見逃せず、今後、特に党内左派と労働組合を抑えて改革路線を堅持するのは一層難しくなったようだ。

 一方、SPD の改革路線に反対する SPD 左派グループ「労働と社会的正義のためのイニシアティブ」の6人は3 19日(金)に記者会見し、SPD が「アジェンダ2010」を堅持すれば、今年中に新党を結成すると発表した。これはバイエルン州金属産業労組の SPD 党員が中心になって結成したグループで、「アジェンダ2010」の撤回を要求している。

 それに対して、SPD 首脳部は新党結成発起人6人に対する党除名手続きを開始した。党内の各勢力をいかにまとめるか、ミュンテフェリング党首に大きな期待がかかっている。

2004322日)

戻る