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電子保健カード、2005年に導入

   新しい電子保健カードが2005年から段階的に導入される。シュミット保健社会相は322日(月)に Cebit 見本市でこの電子保健カードを紹介する。プロジェクト投資額は10億ユーロ以上で、世界最大の IT プロジェクトの一つであるという。目的は、約12万の開業医診療所及び55000の歯科医診療所、21500の薬局、2200の病院、約300の疾病保険金庫から成るドイツ保健制度のネットワーク化である。約7000万人の法定疾病保険被保険者と約1000万人の民間疾病保険被保険者が新しいチップカードを利用することになる。

 電子保健カードは外見上は現行のカードに似ているが、機能は全く異なる。新しいインテリジェント・チップカードには、緊急治療や処方箋、医薬品、被保険者に関する保険データなどがメモリーされ、被保険者データへのオンラインアクセスが可能になる。特別なインタフェースがネットワークの技術接続を保証する。

 医師は医師身分証明カードにより、他の医師がメモリーした被保険者データに迅速にアクセスできる。二重診察を削減し、誤った清算を阻止し、医薬品の不適合を回避できる。年間に印刷される約7億の処方箋をスムーズに処理できるだけでも疾病保険金庫に1億ユーロ以上の節約ポテンシャルをもたらすと推定されている。

 電子保健カードプロジェクトの投資額は10億~17億ユーロと試算されている。疾病保険金庫は、IBMを中心とするコンソーシアム Bit4Health が提示した基本アーキテクチュアを審査し、次の段階の計画をする作業部会を医師と共同で設立した。

 連邦政府も工業界もトル・コレクトのような失敗は許されない。シュレーダー首相は Cebit 見本市で、疾病保険制度の電子情報・管理システムは最初から機能しなければならないと語った。カードメーカーは2006年初頭の導入を現実的と見ている。しかし、疾病保険金庫は、2006年に全被保険者に電子保健カードを導入するという期限に懐疑的である。

2004322日)

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