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誠実納税促進法の効果、見られず

   今年11日に誠実納税促進法が発効したことから、脱税者は脱税したお金を2004年中に外国からドイツ国内に移して申告すれば、税率25%で追加納税でき(200513月は税率35%)、処罰は科されない。恩赦期限が過ぎると、脱税は今よりも厳しく処罰される。

 連邦政府はこの恩赦による収入を50億ユーロと見込んでいるが、法律発効後の申告件数が予想を大幅に下回っていることから、連邦税理士会議所は今年の収入を約10億ユーロと推定している。1月と2月の収入は2680万ユーロに過ぎなかった。アイヒェル連邦財務相は、すでに2004年度予算に50億ユーロ(連邦が20億ユーロ、州が20億ユーロ、自治体が10億ユーロ)を計上しているため、大きな赤字が懸念される。しかし、連邦財務省は、誠実納税推進法の評価はまだ早すぎるとしている。

 連邦税理士会議所は、相続税や資本収益課税の今後の見通しがつかないために、市民は恩赦規定の適用に躊躇していると見ている。申告した資本の課税が不明確である限り、誠実納税への道は危ういという。社会民主党内には相続税引き上げ要求が出ているほか、資本収益課税改革法案もまだ棚上げになっているのが現状である。

 一方、連邦税理士会議所は、脱税が故意でない場合や重過失でない場合には、恩赦規定が適用されず、通常の税金+金利を払わなければならないという問題があることを注意している。また、誠実納税促進法を悪用して、税金節約を図る納税者も多いことを指摘している。納税申告では、故意であるかどうかが審査され、最終的には、税務署が決定するが、拒否された申告が裁判所に訴えられることも考えられるという。

2004322日)

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