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失業者の起業が増加

   復興金融金庫 KfW の調査結果によると、失業者の起業が増加しており、2003年の起業家1655000人のうち、4人に1人は雇用局に失業届けを出していた失業者であった。専業自営業者では、ほぼ半分が失業者。失業者の起業傾向は今後も継続すると予想される。

 大半の起業家の職種はサービス業で、1位が企業サービス会社(企業コンサルタント、ITコンサルタントなど)、2位が小売業、3位が自動車修理業だった。厳しい枠条件下でも、起業件数は前年とほとんど変わらなかった(起業率2,3%)。不景気と倒産増加にもかかわらず、起業が雇用の代替になっている。失業者に対する雇用局の圧力が失業者の起業を促しているという一面もあると、KfW は見ている。

顕著な傾向としては、他の仕事に従事しながら、並行して自営業者になる人が多くなっていることが指摘される。副業としてスタ ートすることで、ビジネスアイディアをまず市場でテストすることができるので、リスクが少ない。最初は副業として自立し、試してみる方が成功のチャンスがずっと高くなるという。このリスクの少ない道を選んだ起業家は975000人で、全体の約60%を占めた。2002年よりも35000人増えている。これらの副業起業家の本業は職員、主婦、学生で、平均で週13時間自営業に従事している。

 KfW は、副業でスタートする起業形態が今後、ドイツ国民経済でますます重要になってくると見ている。副業起業家は専業起業家とほぼ同数の職場を創出するからである。副業起業家も平均でフルタイムの職場1つとパートタイムの職場1つを創出している。

 また、失業者が起こした会社の生き残りチャンスは他の起業家と変わらない。56年後も存在している会社の約半分は失業者の会社である。但し、多くの起業家は不十分な準備ゆえに失敗している。そこで、今後、副業でスタートする起業形態が増加することが予想される。

 KfW によると、昨年は93000人の起業家が Ich-AG (私株式会社)として支援された。しかし、Ich-AG の導入が起業の波をもたらしたのかどうかはまだ判断できないとしている。連邦雇用エージェンシーは2003年に補助金を支給して249800人の失業者の起業を支援した。

2004322日)

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