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保育施設の状況、依然として東西差が顕著

    連邦統計局が316日(火)に発表したところによると、ドイツ統一後10年以上が経った今も、保育施設の状況における東西の差は依然として著しい。旧西独では、2002年末現在、3歳~6歳半の幼児の88%に幼稚園在籍権があったが、託児所では3歳以下の幼児の3%だけ、児童託児所では6歳半~11歳の児童の5%だけに在籍権があった。3歳以下の保育サービスでは、ドイツは欧州でも下位に位置している。

 それに対して、旧東独では、3歳以下の幼児の37%、6歳半~11歳の児童の41%が託児所ないし児童託児所のサービスを受けることができる。3歳~6歳半の幼児は全員、幼稚園のサービスを受けることができる(供給率105%)。

 1991年以降の幼稚園在籍数の推移を見ると、旧西独では170万から230万に増加したのに対して、旧東独では出生率の激減を要因として、半分以下に減少した(1991年から2002年の間に、約9500の幼稚園・託児所・児童託児所(約50万人)が閉鎖された)。ドイツには全部で47300ヶ所の幼稚園があり、その内の270ヶ所は企業幼稚園である。

 旧西独では、2002年に幼稚園在籍数の24%が一日保育であったが、旧東独では98%。幼児園児数に対する一日保育在籍数の割合は旧西独が21%、旧東独が103%であった。

 全国的に見られる傾向としては、0歳~6歳半までの幼児をまとめて保育する施設が増えている。年齢層の混合した保育施設は2002年現在、すべての保育施設の32%(15200ヶ所)で、1990/91年(11%)の3倍に増加している。

 今後、ドイツの11歳以下の幼児・児童数はさらに減少する見通しである。旧西独では、2015年には現在よりも約14%少なくなると予想されている。その結果、保育施設数が変わらなくても、幼稚園の供給率は103,5%になると試算されている。

それに対して、旧東独では、2015年までに11歳以下の幼児・児童が約10%増えると予想される。その結果、保育施設数が変わらなければ、幼稚園の供給率は96%に、児童託児所は35%に後退し、託児所だけに変更がないと推定される。

 ドイツでは年間約105億ユーロが保育施設に支出されている。親の負担は1992年以来大きく増加している。旧東独では親の負担の割合がコスト全体の20%であるのに対して、旧西独では23%。また、幼稚園や託児所の料金にも州ごとの差が顕著である。バーデン・ヴュルテンベルク州では平均で年間2153ユーロであるのに対して、ベルリンでは5000ユーロ、ハンブルクでは5300ユーロ。

 シュミット家族相は、すべての幼児に託児所を提供することを目的とする法案を3月中に提出する意向である。2005年から地方自治体に年間最高15億ユーロの補助金を付与することを明らかにしているが、その財源については言明を避けている。地方自治体は託児所増設の財源を連邦政府に要求しており、財源を考慮しない法律として法案を批判している。

2004322日)

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