オバサンの独り言 3月28日から夏時間になった。元々、夏時間はエネルギー節約のために導入されたのだが、調査結果によると、考えていたほどの省エネ効果はないのだそうだ。但し、日没の時間が遅くなるので、戸外で過ごせる時間が長くなるという副次的効果がある。アンケート調査では、夏時間への切り替えが有意義だと答えた人は10%に過ぎなかったが、戸外での余暇時間が長くなったことの恩恵はだれもが受けている。夏時間への切り替えで1時間を失うのはちょっとキツイけれど・・・。 でも、夏時間になったから、「もう春だ、春だ!」なんて油断してはいけない。春のような陽気になったかと思うと、急に冷え込み、雪が降り始めるミュンヘンの天候では、まだまだ冬物を片付けることはできない。私には苦い経験がある。気温がぐんぐん上がり、すっかり春らしくなったので、「春よ、こんにちは! 冬よ、さようなら!」とばかりに、冬のコートをクリーニングに出したら、その翌々日に急に寒くなって、大失敗。ドイツではコートは常用品だと実感したものだ。 春はドイツ人にとって待ちに待った季節。急に気温が20度近くになって、太陽が顔を見せると、もうドイツ人はジッとしていられない。前日まで分厚いコートを着ていたのに、一気にTシャツになって日光浴をする。公園のベンチや屋外の喫茶店は日光浴の人たちでいっぱい。若いお母さんや子供たちは自転車でサイクリング。2、3日前まで凍っていた、小さな砂利だらけの歩道にも一斉にアリたちが繰り出してくる。太陽の暖かさと明るさが人々を戸外に誘う。 私がドイツに来たばかりのころ、ドイツ滞在の長い年配の日本人が言っていた。「ドイツに住んでいると、太陽のありがたさを身にしみて感じるようになりますよ。春がすごく待ち遠しくなりますよ」と。そのころは、フーンと聞き流していたけれど、ドイツ滞在が長くなるにつれて、太陽を求めてイタリアへ、スペインへと出かけるドイツ人の気持ちがよくわかるようになった。 今年はいつになったら冬のコートをクリーニングに出せることやら。 (2004年3月29日)
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