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疾病保険料率、14%以下に低下する見通し

 今年11日に保健改革法が発効してから100日が経ち、シュミット保健・社会相は保健改革の効果が現れていると満足感を示した。今年中に平均疾病保険料率が14%を顕著に下回る見通しである。

 これまで懐疑的だった疾病保険金庫が保険料率引き下げの方向に動き始めたのは、主に、医薬品の支出が急減したことに起因している。薬局連盟によると、1月と2月の医薬品支出額は前年同期比25%減少した。これは約9億ユーロに相当する。処方箋のいらない医薬品の売上は1月~3月に67%も減少した(37000万ユーロ減)という。

 連邦保健・社会省は、被保険者が不必要な医薬品を購入せず、割安な医薬品を購入する傾向が見られると指摘している。また、保険医協会によると、初診料導入を要因として、医者に行く被保険者が著しく少なくなった。通常、医者へ行った患者は処方箋義務のある医薬品を購入するので、医者へ行く患者が少なくなったことも医薬品支出の減少につながっているという。

 保健改革により、疾病保険金庫が引き受ける処方箋義務のある医薬品の価格上限が設定されたことから、処方箋義務のある医薬品が安くなった。また、11日から、処方箋義務のない医薬品は自由競争になったので、薬局は任意に価格を設定できる。薬局の34%が69%の値下げをし、1%の薬局が値上げした模様である。

 しかし、通販はまだ軌道に乗っておらず、約22000の薬局のうち500の薬局が通販を始めた。国内の薬局が通販にあまり関心を示していないのは、ドイツ国内の通販薬局にも価格規定が適用されることに起因している。従って、価格規定が適用されない外国の通販薬局のようにメーカーと価格交渉をすることができないのが現状である。

 一方、シュミット保健・社会相は、不法に初診料や料金を請求したり(妊婦の定期検診や歯のコントロールに初診料は不要、眼鏡購入のための目の検診は無料であるにもかかわらず、初診料ないし料金を請求)、診察を拒否した医者や歯医者がいたことを指摘して、保健改革の濫用を批判した。同時に、不法な初診料や料金を請求された場合には、払わないか、サービス給付内容を明記した領収書を要求して、疾病保険金庫や消費者保護団体に報告するよう被保険者に呼びかけた。

2004412日)

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