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3月の労働市場、春の回復が見られず

   経済不況が労働市場の春の回復にブレーキをかけたようだ。3月の失業者減少幅はドイツ統一以来最も少なかった。

 連邦雇用エージェンシー(旧連邦労働庁)が46日(火)に発表したところによると、ドイツの3月の失業者数は2月よりも93600人減少して4547500人になった。対前年同月比では、旧西独が9700人、旧東独が52500人減少した。失業率は11,1%から10,9%に低下した。但し、昨年までの統計方法では、旧西独は前年同月比41800人増、旧東独は27700人減。

 旧西独の失業者数は2871482人(失業率8,7%)、旧東独は1675970人(失業率19,2%)。季節調整済み失業者数は2月よりも44000人増加して4344000人だった。季節調整済み失業率は10,3%から10,4%に上昇した。また、就業者数は795000人減少して3766万人になった。季節調整済みでも15000人減少した。

 ヴァイゼ総裁は、経済不況が労働市場に顕著に反映しているとして、政府の年間平均失業者数予測(4323000人~4215000人)を上方修正することになるかもしれないと語った。2003年の平均失業者数は4376000人だった。昨年に導入した労働市場改革政策も不況をカバーすることができなかったという。

 一方、職業訓練市場が著しく悪化した。3月末の職業訓練生求人は171900人(前年同月比10%減)で、職業訓練の職場を斡旋されなかった若者は339000人だった(2,5%増)。計算上、167100人の職場が欠けていたことになる。これは1年前よりも26500人多い。特に旧西独の悪化が著しい(旧西独の求人:前年同月比11%減、旧東独:4%減)。ヴァイゼ総裁は、秋までには状況が好転すると楽観的に見ているが、経済界、政府、雇用エージェンシーの努力の必要性を強調した。

 クレメント連邦経済相は、景気回復のためにはもっと大きな経済成長と投資が必要であり、そのためにも改革路線を堅持しなければならないと語った。若い失業者の減少と起業家の増加に明るい希望が見られるという。

 それに対して、キリスト教民主同盟(CDU)のマイヤー幹事長は、連邦政府は両足で成長にブレーキをかけていると批判した。メルツ議員(CDU)は、就業者の継続的減少は労働市場統計よりも重要な構造上の経済危機であると語った。

2004412日)

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