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ドイツの少子化が進行

   連邦統計局の暫定的統計結果によると、ドイツでは2003年も死亡数が出生数を上回った。同時に、正式に結婚したカップルが2002年の391963組から2003年は383076組に減少した。出生数と結婚は1945年以来最低の水準となった。

 出生数は2002年の719250人から715290人に減少した(3960人減)。また、死亡数は2002年よりも16623人増えて858309人であった。死亡数は1993年から2001年にかけて継続的に減少したが、2002年から再び増加している。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減少は2002年よりも20583人増えて143019人となった。

 新生児の約75%の親は結婚していることから、結婚の減少は同時に、出生率にも影響を及ぼす。1972年以来、死亡数が出生数を上回っている。安定して低い出生率の理由としては、社会における個別化傾向と自己実現志向の生活設計が挙げられる。就業、職業上の昇進、消費志向の生活スタイルが自らの家庭生活よりも優先され、しかも両立が極めて困難である。

 旧東独では1975年以来、出生率が上昇し、80年代は出生数が死亡数を上回っていたが、ドイツ統一後に出生率が急激に低下した。出生数は1988年の215734人から1994年には78698人に急減した。ドイツ統一により、経済制度や社会福祉制度が変わり、不安要因が増したためである。旧西独の出生数にはそれほど大きな変動が見られなかった。

 連邦統計局は、今後も死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減少幅が継続的に増えていくと予想している。2008年は20万人、2012年は23万人、2017年は26万人と予測している。特に旧西独で子供のいない人が増える傾向が見られる。60年代に生まれた女性の約30%が出産しないと決めている。また、旧西独では、晩婚ゆえに出産できないケースが多い。それに対して、旧東独では、子供一人の家庭が増える傾向が顕著である。専門家は、引き続き、子供のいない人の割合が増加して、出生率の低下を加速することを懸念している。

2004412日)

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