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遺伝子組み換え食品の表示義務

 418日(日)から、すべての遺伝子組み換え作物・食品・添加物・飼料に遺伝子組み換えの表示が義務付けられる。この EU  規定は、遺伝子組み換えが証明できるか否かにかかわらず、遺伝子組み換えで作られたすべての食物に適用される。例えば、遺伝子組み換えされた大豆や油菜から成るオイルやレシチン、遺伝子組み換えされたじゃがいも、トウモロコシ、トマト、魚、遺伝子組み換えされた酵母を使ったヴァイスビールなど。

 また、この表示義務はレストランのメニューにも適用される。表示義務を免除されるのは、遺伝子組み換え飼料で飼育された動物の卵や肉、乳製品、遺伝子組み換えが避けられない(最高0,9%まで)食品及び添加物(香料、酵素、ビタミンなど)。

 キュナスト消費者保護大臣、環境保護団体、産業界は、この新規定は食品における透明性への大きな第一歩であり、消費者に選択の自由を与えたと高く評価している。

 しかし、ドイツの大手食品メーカーやスーパーは、遺伝子組み換え食品に対する消費者の懸念を考慮して、遺伝子組み換え食品を極力販売しない方針であるため、当分の間はドイツ市場では遺伝子組み換え食品の量が少ないと予想される。

 但し、大手スーパーは遺伝子組み換え食品の断念を保証することはできないとしている。メーカーやスーパーの遺伝子組み換え食品断念の背景には、グリーンピースなどの環境保護団体や消費者団体が工業界に大きな圧力をかけたためで、メーカーやスーパーは環境保護団体のボイコット運動を恐れている。

 一方、環境保護団体や消費者センター、バイオ農業団体は、遺伝子組み換え飼料で飼育された動物の卵や肉、乳製品には表示義務が適用されないことを批判している。大半が遺伝子組み換え作物(トウモロコシや大豆)から成る飼料には表示義務があるが、人間が食べる「最終生産物」には表示義務が適用されないという。

 キュナスト消費者保護大臣は、遺伝子組み換え表示義務を卵や肉、乳製品にも拡大する意向であることを明らかにした。418日に発効した EU 規則では、欧州委員会の反対があったために、これらの製品に対する表示義務が免除された。

2004419日)

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